Q.「かなやま幼稚園」について教えてください
祖母の「筑紫トメ」が、昭和45年5月に設立しました。
金山団地と一緒にできたため、最初は『金山団地幼稚園』でしたが、学校法人になった際に、今の『かなやま幼稚園』という平仮名の名称になりました。
私が三代目で、間もなく50周年を迎える歴史ある幼稚園です。
50棟を超える金山団地からは約3割、スクールバスを利用して隣の校区から約6割の園児さんが通っています。
ありがたいことに、保護者のみなさんの間で『かなやま幼稚園』の評判がいいみたいで、「クチコミ」で知っていただくことも多いようです。
Q.園長先生はどんな風に一日を過ごしていますか?
朝礼後、園内で事務仕事やお客様の対応、業務の合間には教室を見回り、園児たちとふれあう時間も作っています。
また、外に出て対外的な関わりを作ることや、教育に繋がるような学びを持ち帰って、スタッフと共有することも大事な仕事の一つです。
実は以前は「自分が全部やる」という感じでしたが、先生たちが園児とその指導に集中できることが第一だと考え、今はきっちりと業務の棲み分けをしています。
私は園長として、私だからできることをしていますし、主任は指導や学びに長けているので、それに注力してもらっています。
Q.幼稚園にはどんなスタッフがいるのですか?
まず、園長の私がいます。
私の外出時には代わりに園での仕事をしてくれるなど、周りのスタッフには助けられています。
それから、各クラスに一人ずつ担任の先生がいて、それぞれが責任持って保育をしています。
担任がないフリーの先生はその補助。事務スタッフはお金のこと、電話対応や見学の方への案内などが主な仕事です。
派遣スタッフとして、バスの運転手さんや課外教室の先生もいらっしゃいます。
体育、英語、かきかた、プールを専門の先生にお願いすることで、より専門性の高い指導に加え、安全面においても安心です。
うちの先生たちに普段の教育に専念してもらうという意味でも、専門の先生の存在は大きいです。
Q.園長先生は園児とどんな風に関わっていますか?
担任の先生のようにはいかないですが、子どもたちが喜んでワイワイ寄ってきてくれる時はうれしいですね。
悪いことをしたときに叱るのは担任の先生がしてくれていますから、私は偉そうにしないようにしています。
ふれあいの時間が少ないなかでも信頼関係を築けるよう、自分から心を開いて、笑って接することを心がけています。
子どもたちが「楽しい園長先生なんだなあ」と思ってくれていたらいいですね。
Q.園ではどんなことに力を入れていますか?
「昔ながらの幼稚園」としての在り方を軸として、時代に合った活動を付加するかたちで、体をつくるための運動や水泳、感性を伸ばすための造形や音楽、将来のために必要な英語やかきかたなど、行事や遊びを通してバランス良く、いろいろなことが体験できるようにしています。
行事も数多く実施していて、そのすべてで結果ではなく「プロセス」を大事にしています。保護者の方には「みんなが思い切り遊んで、笑って、食べる。そんな幼稚園ですよ」とお話ししています。
子ども一人ひとりがどんなことに興味があって、何が得意なのか、丁寧に観察して対話していくことも私たちの役目だと思っています。
幼稚園でいろいろなことを経験してもらい、そのなかで自分の大好きなことや、将来の夢につながることを、一つでもいいから見つけてくれたら、と願っています。
Q.施設の設備や環境面での配慮は?
安全性・清潔感が第一で、それ以外では、直感で「いいな」と思ってもらえる居心地のいい幼稚園を目指してます。
設備や遊具は定期的にメンテナンスを行い、子どもたちがのびのびと過ごせるのはもちろん、全体が見渡せるコの字型の園舎など、先生や保護者の方たちにとっても安心な環境づくりを心がけました。
以前の「ザ・幼稚園」という感じの園舎や造りにもいろいろな意味はあったと思いますが、今の環境だから生まれる学びのかたちもあると思っています。
また、防犯カメラの設置や防犯訓練など、不測の事態に対処するための安全対策も万全です。
Q.先生へはどんな教育をしていますか?
子どもがきちんと理解できるよう、「ダメだよ」「こうしたらいいんじゃない?」というアドバイスは、その場で教えてあげてほしいと伝えています。
幼稚園の先生はいつも園児と正面から向き合っていないといけないと思っているので、それも常に伝えていることです。
もちろん園児と先生だけでなく、先生同士、そして保護者の方も含め、しっかりと向き合って、「みんなでやろう」という信頼関係を築くことも大切です。
だから、互いに話を聞いて、相談しあえる職場の雰囲気も大事にしています。
研修や会議での理解を確認するために、月に1回は行事の指導について再確認する場を作ったり、リーダーや新人の先生それぞれで近況報告で進捗の確認をし合ったりと、情報共有を怠らないようにしています。
Q.保護者の方へのメッセージをお願いします
「幼稚園にお任せ」ではなく、お子さんが興味を持っていることを一緒にするなど、たっぷりとお子さんのために時間を使ってあげてください。
大人でも感情や体調の波はありますが、人と関わっていくうえで、どんな時でもコミュニケーションをとって、良い方向に持っていこうとすることは大事なことです。
とはいっても、簡単なことです。
子どもが絵を持って帰ってきたら「いいね!上手だね!一緒に描こうか?」、好きな本を教えてくれたら「一緒に読もうか?自分で読んでみたい?」と声をかけて、イベントでの晴れ姿だけじゃない、日々のお子さんの成長を見守ってあげてほしいのです。
Q.どんな幼稚園を目指していますか?
1日のほとんどを「家庭」と「幼稚園」で過ごす子どもたちにとって、そこでの「体験の密度」が大事になってきます。
できるだけたくさんの経験をさせてあげて、保護者の方はもちろん、私たちもまた、子どもたちの積み重ね、小さな成長をつぶさに見守ってあげられる存在でありたいと思っています。
園児から「先生に会いたいから幼稚園に行く!」って言ってもらえるよう、先生たちも日々努力しています。
卒園時に「幼稚園の先生になりたい」と言う子が1人でも多くいてくれたらうれしいですね。そんな幼稚園を目指し、今後も真摯に取り組んで参ります。