先生に聞きました

「先生ってどんなこと考えているんだろう。」
「なんで先生になろうと思ったの?」

足を運ぶたびに思いは募るばかり…
元気いっぱいの子どもたちと日々を駆け抜ける先生たちをつかまえて、気になるお話を聞かせてもらいました。

そう、やっぱり、
聞いてみなくちゃわからない!!
全4回、どうぞお楽しみください。

 目次
\Interviews with Kanayama Kindergarten Teachers/\Interviews with Kanayama Kindergarten Teachers/

第4回 | 濱田弥希先生

4年生から考えてました。

Q.いつから幼稚園の先生を目指していたのですか?

小学4年生くらいから、夢見ていました。私は3人きょうだいの末っ子で、いとこの中でも一番下だったので、私がお世話する子が居なかったんです。
小学校の活動のなかで、1年生から5年生までが集まる取り組みがあって、下の学年の子たちとも遊ぶ機会が増えたのが、小学4年生くらいでした。
その時に、凄く楽しいと感じていて、さらに5年生の時には職場体験で保育園に行き、改めて「こんな仕事がしたいな」と思いました。小学校5年生の頃には、はっきりと幼稚園の先生を目指していました。

Q.就職活動時、他の幼稚園も受けましたか?

別の幼稚園にもお話をいただきましたが、お断りしました。
正式に受けたのは、「かなやま幼稚園」だけです。というのも、「かなやま幼稚園」の建物全体が他にはない「コの字型」で、どこからでも見渡せる造りなんですね。それが、ここを選んだ理由のひとつなんです。
自分の受け持ちクラスだけじゃなく、他のクラスの子どもたちや、保護者の方のお顔も覚えて、「たくさん接したい」「みんなで見守りたい」という私の希望が叶うと思ったので、「ここで働きたい」と志望しました。

Q.働く前と後で、ギャップはありましたか?

幼稚園の先生は、子どもたちと遊ぶために身体をいっぱい動かすというイメージだけでしたが、実際に園児と関われるのは14時15分までのたった4時間。
それ以外は、その限られた4時間を充実したものにするための準備をしています。
それから、昔は、親や近所に住む子育ての先輩が教えてくれていたような子育てのアドバイスを、受けたくてもそうした環境にない保護者の方も増えています。
今の時代の特徴なんだと受け止めて、じゃあ自分たちに何ができるか、ということも考えます。多くの視点から推測して、計画や準備をすることは、予想以上に大変でした。

Q.辞めたいと思ったことはありますか?

園にもよりますが、「かなやま幼稚園」では1年目から担任を持ちます。
私は1年目に年長さんのクラスを任せていただき、わからないことだらけで大変でしたが、一年を終えて振り返ると「楽しかった」「やって良かった」と感じることの方が多かったです。
一年目から子どもたちが巣立つ瞬間に立ち会えたというのも大きかったですね。
もちろん、「大変だな」「どうしたらうまくやれるだろう」と思うことはその時々でありましたが、それが最終的に「辞めたい」という考えには繋がらないですね。

Q.クラスの担任の先生の一日の流れを教えてください

7時50分の朝礼後、バスに乗る先生と、園でお迎えする先生に分かれ、順次登園が始まります。午前中は「主活動」で制作や音楽をして、だいたい12時頃から昼食の時間です。
保育園と違って3歳児から上の子はお昼寝の時間は無く、お昼以降は、その日によって活動内容が変わります。13時50分頃には振り返りの時間を作って、14時15分には降園です。
お仕事でお迎えが遅くなるご家庭も増えているので、18時までは預かり保育を利用するお子さんもいます。

Q.気をつけているところは?

「〇〇くんがあれをやってた」「〇〇ちゃんにこんなことされた」という、子どもたちからの「報告」への対応ですね。
友達同士で話して解決するのが一番ですが、それができるようになるのは年長さんくらいからです。
相手に直接言えないから私に報告に来る子もいます。また、伝えて満足する子もいますし、その場で解決しないと何回も繰り返すだろうなっていう子もいます。
子どもたちは、繰り返し教えてあげることで覚えていくので、まずはしっかり一人ひとりの声を聞いて、解決できるように導くのも私の役目ですね。

Q.先生の仕事の難しいところは?

子どもへの指導は難しいですね。制作や行事での指導も難しく、例えば劇の表現ひとつとっても、子どもたちに「教える」ということは、どれも簡単なことではありません。
学校の授業で実習もありましたが、実際の教員とまったく同じ内容ではないですし、時間も限られています。やはり「実践」で身に付けていくものも多いと思います。
私も最初の年は、先輩がやっていることを真似していて、経験を重ねるにつれ、いろいろとわかるようになりました。
いろいろと見えてくるものが増えるので、気持ちにも余裕ができて、やりがいや楽しみがどんどん増していくのを感じています。

Q.子どもたちへの思いは?

年少さんだと「先生、大きくなったら何になるの?」「お仕事何してるの?」と聞く子もいますが、年長さんになると「先生いつもありがとう」「頑張ってね」と声をかけてくれる子もいて、「幼稚園の先生」が“仕事”だとわかってきます。
私たちみたいになりたいと思ってくれる子が一人でも多くいたら嬉しいですね。
子どもたちのことは、在園時はもちろん、卒園後も見守っていきたいです。
幼稚園に遊びに来てくれる子もいますし、幼稚園や保育園で年長を受け持った先生と、小学校の先生がお話ししたり、先生だけの参観日もあるので、そういう機会に変わらず元気な姿を見ると安心します。

Q.印象に残っている思い出は?

 

たくさんありますが、1年目の初めての卒園式に、保護者のみなさんがサプライズで「歌」のプレゼントをくださった時はうれしかったです。
「卒園しても遊びに来たい」「またお話ししたい」と言ってくださる方もいて、「先生になってよかった」と心の底から思った瞬間でした。
「先生だから任せられる」という言葉には、じーんとしました。
保護者の方にとって「子どものことをよくわかってくれている先生がいる」というのが、安心要素の一つだと思います。「先生だから安心」と思っていただけるよう、これからも日々子どもたちと接していきたいです。